チーズのきた道
【重要】
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■商品説明
「乳の生化学者」が調べ上げた起源と歴史、育んだ風土
ヨーロッパ・中東から、インド・モンゴル・日本まで世界のチーズと乳文化を探訪
「乳の生化学」の第一人者が明かす、チーズの起源と分類法、そしてそれらを育んだ風土。栄養価が高く保存性に優れたチーズを、各地の部族は、その存亡をかけて育ててきた。モンゴルのホロート、古代ローマのチーズ菓子、フランスのカマンベール、日本の酥(そ)など、古今東西の文献を渉猟し、乳文化を実地に探訪。「人類にとっての食文化」に考察は及ぶ。
※本書の原本は、1977年、河出書房新社より刊行されました。
【目次】
はじめに
チーズ学事始め
初めての出合い
チロル、伝統ある自家製もの
スイスのチーズ教育
他
チーズ文化の起源
五体壮健、無比長寿の仙薬なり
仏典に記された「乳」と「酪」と……
カルピスの語源「酥」「醍醐」
興味ある「醍醐」の語源
チーズの祖語をたずねて
時代とともに変化する呼称
早かった乳の利用
文献にみるチーズの故郷
「チーズを勧める歌」
男は逞しく、娘は美と智を
他
ヨーロッパ史のなかのチーズ文化
東から西への運び屋
イタリーチーズの原産地
エトルリア人がもっていた技術
ローマ人の食事文化
古代ローマにチーズ菓子
意外に新しい乳製品の誕生
乳利用文化の先進圏
砂漠に生まれ、牧場に育つ
庶民とともに歩んだチーズ
青カビチーズを食べたカール大帝
神父による料理研究
近世チーズの歴史
他
アジアの乳文化
東洋における乳の姿
乳利用文化への拒否反応
「哀詩」にみる遊牧文化
畜産は発達していたが……
遊牧になじまぬ王女の嘆き
水を利する者、天下を制す
相互依存の関係の中で
「強い者は遊牧をする」
『三国志』にみる兵糧合戦
仏教の好きな乳文化
釈尊、白牛の乳で元気回復
花と果実から酵素を
他
日本のチーズ変遷
チーズは仏教とともに渡来した
乳利用に本腰を入れた朝廷
籠に入れて貢酥すべし
酪農は朝廷の独占であったか
王朝文化は「乳製品」によって
なぜ乳文化は土着しなかったか
酥の文化消滅の時
近代日本酪農の黎明
「唐人お吉」に“乳”の苦労
季節移動の牛乳店
他
「食べる」からみた乳とチーズ
始原食物としての乳
乳文化へのステップジャンプ
家畜と乳の流れる風土
人間が「食べる」ということ
食事文化類別の中のチーズ
参考文献
■
著者
鴇田文三郎(ときた・ふみさぶろう)
1920年、宮城県生まれ。東北大学農学部卒。ミルク化学専攻。農学博士。信州大学教授、東京農業大学教授を経て、信州大学名誉教授(
■著者
【鴇田 文三郎著】

