乃木希典
【重要】
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■商品説明
「軍神」の実像と近代日本の宿痾を抉る名著。常に国家意思と結びつくことで生かされてきた「明治の軍神」の生涯と人物像を、一般庶民から、漱石や鴎外、西田幾多郎らの乃木評までを織り込みながら描き出す。
度を越した遊興、4度の休職と隠遁、東郷平八郎との明暗。「殉死」に沸騰する世論と、公表時に改竄された遺書。乃木希典とは、「明治国家」と根本的に相容れない人間性にもかかわらず、常に「国家意思」によって生かされ続けた人物だった。漱石、鴎外、西田幾多郎らの乃木評から小学生の作文まで網羅して描く「軍神」の実像と、近代日本の精神のドラマ。
*本書の原本は、1967年雄山閣出版から、1988年河出書房新社から刊行されました。
【目次】
はじめに
乃木希典の生涯
一 無人と父母
二 玉木文之進正かぬのもとで
三 陸軍への出仕
四 萩の乱の渦中へ
五 士族叛乱のなかで
六 紅灯緑酒の人
七 ドイツ留学と帰国後の生活
八 台湾総督の前後
九 那須野の「農人」
十 日露戦争と乃木希典
日露戦争後の社会と乃木希典
一 凱旋した第三軍司令官陸軍大将乃木希典
二 東郷平八郎と乃木希典
三 凱旋将兵と乃木
四 華胄界と乃木
五 社会風潮と乃木
明治の終焉
一 御不例の号外
二 天皇の死と御大葬
三 乃木希典夫妻の自刃
乃木の死が投じた波紋
一 分裂した世論
二 庶民の話題
三 キリスト者の憂愁
四 徳富蘇峰・蘆花兄弟
五 矢内原忠雄・出隆・西田幾多郎
六 森鴎外と夏目漱石
軍神乃木像の展開
一 小学校教育のなかでの乃木
二 『武人の徳操』と乃木
三 伝記のなかの乃木
文献目録
乃木希典年譜
おわりに
学術文庫によせて
■
著者
大濱徹也(おおはま・てつや)
1937年山口県生まれ。東京教育大学卒。文学博士。女子学院高等学校教諭、中京大学・筑波大学・北海学園大学教授などを経て、筑波大学名誉教授。
■著者
【大濱 徹也著】

