本居宣長
【重要】
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■商品説明
物のあわれ論と神道論をつらぬくものとは?「悲しみ」をうけとめること そこに「安心」がある宣長に「せむかたなし」の思想を読みとり、日本思想史研究の画期をなした名著!
漢意(からごころ)を否定し、われわれは現に日本人を支えてきた秩序によって生きるしかないという神道論を展開。文芸においては物のあわれを主張した宣長。その思想を追うことは、今日のわれわれ自身を知り、未来に生かすべきものと、同時に克服すべきものも見出すことだと著者はいう。日本思想史に決定的な影響を与えた宣長の本質を鮮やかに浮き彫りにした名著。
「宣長は一方において物のあわれを説いた。それは、例えば悲しむべきことを悲しむことであった。他方において宣長は、よきもあしきも、すべては神のしわざであるとし、そのようにうけとめるところに安心があるといった。本居宣長を理解しようとするものは、どうしてもこの物のあわれ論と神道論とのつながり、重なりを問わないではおられない。」――<本書より>
※本書の原本は、1978年、東京大学出版会より刊行されました。
【目次】
第一章 物のあわれ論
一 二つの関心――歌と神道
二 『あしわけをぶね』
三 物のあわれをしる――『石上私淑言』
四 「物のあはれをしる」生き方――『紫文要領』
第二章 神道論の形成
一 「あはれ」と新しい神観念
二 神道論の変容――『石上私淑言』『古事記雑考』
第三章 道について
一 道の二面性
二 客観的秩序としての道
三 不可知性と有効性
四 「真心」と道の「みやび」
第四章 「せむかたなし」
一 二重構造的姿勢
二 禍津日神の重視
三 顕事と幽事
四 「其時の神道」――『鈴屋答問録』第十三
五 悲しみと安心――『鈴屋答問録』『玉くしげ』
■
著者
相良亨(さがら・とおる)
1921年、金沢市生まれ。1944年、東京帝国大学文学部倫理学科卒業。和辻哲郎に師事。東京大学名誉教授。日本学士院会員。専攻は、日本倫理思想史。2000年、逝去。
■著者
【相良 亨著】

