伊藤博文と明治国家形成―「宮中」の制度化と立憲制の導入
【重要】
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■商品説明
内閣制度を創設し、明治憲法の制定に尽力したことで日本近代史にその名を刻む伊藤博文。しかし立憲制の導入のために伊藤がまずなすべきことは、天皇の権限を明らかにし、「宮中」を制度化することだった。大隈重信・井上毅ら政敵との抗争や、度重なる政治的危機を乗り越えて明治天皇の信頼を得た伊藤の、「真の業績」を論じたサントリー学芸賞受賞作。
「立憲カリスマ」の真の業績とは立憲制確立のためには、まず天皇の権限を明確にし、内閣を自立させることが不可欠だった。
「「宮中」とは、天皇、皇族、宮中派と呼ばれる天皇側近、宮内省関係者などで構成された政治主体を意味し、その「宮中」が、「内閣」から自立した政治意思を持ち、立憲制の導入を中心とした体制の転換にも少なからぬ影響を与えていったのである。 本書の意味する「宮中」の制度化とは、君主権力を制度化して「宮中」の恣意から「政治」を自立させようとする政治的試みであり、それを本書では伊藤の政治指導を通じて明らかにしようとするものである。」――(本書「はじめに」より)
*本書は、1991年、吉川弘文館刊の同名書籍の文庫化です。
【目次】
第一章 「宮中」の政治的活性化と明治14年の政変
第二章 内閣制度の創設
第三章 「宮中」の再活性化と明治20年の危機
第四章 憲法の制定
補論 明治前半期の天皇と軍部
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坂本一登(さかもと・かずと)
1956年広島県生まれ。東京都立大学法学部卒業。同大学大学院博士課程満期退学。北海学園大学助教授を経て、國學院大學法学部教授。『伊藤博文と明治国家形成―「宮中」の制度化と立憲制の導入』で1992年サントリー学芸賞を受賞。
■著者
【坂本 一登著】

