ことばへの道 言語意識の存在論
【重要】
大文字版オンデマンドの表紙はこの画像とは異なります
■商品説明
共同性、宗教性、芸術性、規範性……ことばと人間の本質を問い、哲学と詩を往還する、根源的な思索の書!
「ことばを通して現実があらわれ、人間があらわれ、共同社会があらわれ、宗教があらわれ、芸術があらわれるという展望がなかったら、ことばを論ずる魅力はおそらく半減することだろう。」――著者は「あとがき」でそう断じる。
人として存在すること、社会のなかに在ることと、否応なくむすびついた「ことば」とはなにか。繊細でしなやかな哲学的洞察。
「……ことばの研究というやや異端の道に足を踏みいれる気になったのは、かえりみて二つの要因があったと思う。一つは、東大闘争の敗北後、哲学アカデミズムとは別の場で研究をつづける決意を固め、ならば主題も方法も従来の定型にとらわれる必要などないし、とらわれないことでかえって自分の場の特質を生かした研究ができるだろうと考えたこと。(略)要因のいま一つとして、一九七〇年頃から――その頃がわたしの三十代のはじまりに当たるのだが――日本語が、全体として軽くなる、というか、上すべりする、というか、そういう印象をもつようになったことがあげられる。」――<「新装版への序」より>
※本書の原本『ことばへの道』は1978年、勁草書房より刊行されました。文庫化にあたっては、新装版(1997年刊)を底本としました。
【目次】
学術文庫版へのまえがき
新装版への序
第一章 言語場の成立
一 共同存在としての人間
二 言語の普遍性
三 言語の象徴性
四 共同の場としての言語
第二章 表現の構成
一 言語の宗教性
二 話し手の位置
三 言語の芸術性
四 表現と沈黙
第三章 伝達の構成
一 意味の実相
二 音声と文字
三 言語の規範性
註
あとがき
■著者
【長谷川 宏著】
1940年生まれ。東京大学大学院博士課程(哲学)満期退学。在野の哲学者として活動をつづけている。とくに、ヘーゲルの新訳は、読みやすく流麗な文章で高く評価されている。おもな著書に、『ヘーゲルの歴史意識』『同時代人サルトル』など。

