幕末外交と開国
【重要】
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■商品説明
黒船に揺れた1年間を検証 「無能な幕府」説は本当か? 日米双方の資料から、「開国」をめぐる常識を覆す。
無能無策な幕府が、黒船の「軍事的圧力」に屈し、不平等条約を強いられたという「日本史の常識」を検証。
軍事衝突は起こり得るのか、交渉は何語で行うのか――。
ペリー来航から和親条約締結までの一年間を日米の資料から追跡して見えてきたのは、幕府の高い外交能力と、平和的交渉の輝かしい成果だった。日本の近代外交と日米関係の原点を見直す。
「ペリー来航から和親条約締結までの一年間を日米の資料から追跡して見えてきたのは、幕府の高い外交能力と、平和的交渉の輝かしい成果だった。日本の近代外交と日米関係の原点を見直す。日米和親条約は一門の大砲も火を噴かず、平和的な交渉によって結ばれた。これが最重要の論点だと私は考える。(中略)アジア近代史から見れば、日米和親条約のような「交渉条約」は稀有の事例である。「交渉条約」を導いたのは偶然ではない。一定の政治的条件の下、日米双方の当事者による外交努力の成果にほかならない。日本外交史のなかでは、幕府の高い外交能力は特筆されるべきであろう。」――<本書「あとがき」より>
※本書の原本は、2004年に筑摩書房より刊行されました。
【目次】
はじめに
第一章 一八五三年 浦賀沖
第二章 アメリカ東インド艦隊
第三章 議論百出
第四章 ペリー艦隊の七ヵ月
第五章 一八五四年 ペリー再来
第六章 日米交渉
第七章 日米開国
あとがき
参考文献
■著者
【加藤 祐三著】
1936年東京生まれ。東京大学文学部卒。専門は日本近代史、近代アジア史。横浜市立大学教授、同大学学長などを経て、現在、同大学名誉教授、都留文科大学学長。おもな著書に『イギリスとアジア』『黒船前後の世界』『黒船異変』『世界繁盛の三都―ロンドン・北京・江戸』『地球文明の場へ』、共著に『アジアと欧米世界』ほか。

