パラドックス―論理分析への招待―
【重要】
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■商品説明
たとえば、この言明をどう理解するか? 「この枠内に書いてあることは、ウソである」。
パラドックスとの格闘が人間の思考を鍛えてきたのだ。
新たなパラドックスの発見と、それとの格闘が、人間の思索を深め、新しい論理学や意味論の形成をもたらした。「嘘つきのパラドックス」や「不意打ち試験のパラドックス」、さらに「自由と必然」「他人の心を知り得るか」など古来の哲学的難問を取り上げ、自然科学的世界像と日常的世界との亀裂に生じるパラドックスとして論理分析を武器に解明していく。
※本書の原本は、1972年、中央公論社より刊行されました。
【目次】
第一章 論理的パラドックス
パラドックスとはどういうものか
リシャールのパラドックス
エピメニデスのパラドックス
ラッセルのパラドックス
カントルのパラドックス
第二章 同一性と普遍の問題
「万物流転」の意味するもの
不可弁別同一の原理
ヘーゲルの同一性
唯名論と実在論
第三章 未来と行為についてのパラドックス
予言のパラドックス
自由のパラドックス
堅い決定論と柔らかい決定論
第四章 他人の心の問題
類比論法
心身二元論と行動主義
感情と動作―心身の具体的関係
ヴィトゲンシュタインの考えとその解釈
他我のパラドックスの解決
■著者
【中村 秀吉著】
1922年埼玉県生まれ。東京大学理学部卒。金沢大学教授、千葉大学教授などを務める。専攻は科学哲学。おもな著書に『時間のパラドックス』『論理学』『論理実証主義とマルクス主義』『科学論の基礎』,訳書にラッセル『哲学入門』,クワイン『論理学の方法』(共訳)ウィトゲンシュタイン『数学の基礎』(共訳)ほか。1986年没。

