ヨーガの哲学
【重要】
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■商品説明
世俗を捨て「精神の至福」を求める宗教実践は「根源的統一への帰一」へと人々を導くヨーガはただ、道をしめして命ずるのみ──「古き衣をぬぎすてて、眼下の海に身を投げよ」
「俗なるもの」の否定に「聖なるもの」は顕現し、「聖なるもの」の力によって「俗なるもの」は「聖化」される──。世俗を捨て、「精神の至福」をもとめる宗教実践・ヨーガ。身体のエネルギーセンター・チャクラ、調気法、坐法、マンダラを前に瞑想する観想法など、仏教学の泰斗が自らの体験をとおして具体的にその哲学をときあかす、必読のヨーガ入門。
「カトマンドゥ盆地の周辺には、かつての大行者たちがヨーガをしたと伝えられる石窟が残っている。彼らはわずかな弟子などとの接触をのぞけば、ほとんどひとりで瞑想のなかに住んだといわれる。月の光のない夜などはまったくのくらやみであったろう。しかし、彼らは思考の混乱・退行などの兆しを見せなかった。これは、まさにヨーガのもつ力のゆえである。ヨーガ行者はこの生体そのもののなかから、外からの刺激によってではなく、統覚の自律性を完成させるのだ。」──本書「第六章」より抜粋
*本書の原本は、1988年11月、小社より刊行されました。
【目次】
第一章 ある聖者の入定
第二章 ヨーガ哲学の本質
第三章 『ヨーガ・スートラ』の哲学
第四章 ハタ・ヨーガの行法
第五章 ヨーガの展開
第六章 ヨーガの求めるもの
■著者
【立川 武蔵著】
1942年、名古屋生まれ。名古屋大学文学部卒業後、ハーバード大学大学院にてPh.D取得。名古屋大学文学部教授、国立民族学博物館教授、総合研究大学院大学教授、愛知学院大学文学部教授を務める。国立民族学博物館名誉教授。専攻は、仏教学、インド学。文学博士。中村元東方学術賞・紫綬褒章受賞。著書に『西蔵仏教宗義研究』(第1巻・第5巻)『「空」の構造』『曼荼羅の神々』『女神たちのインド』『はじめてのインド哲学』『中論の思想』『日本仏教の思想』『マンダラ』『ブッダの哲学』『最澄と空海』『密教の思想』『般若心経の新しい読み方』『空の思想史』『ヨーガと浄土』『ヒンドゥー神話の神々』『ヒンドゥー教の聖地』『仏はどこにいるのか』『ブッダから、ほとけへ』ほか多数。

