デカルト哲学

デカルト哲学

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■商品説明

あらゆる世俗的な思想を根こそぎにして、「善く生きる」賢者の生を追求した、西洋近代哲学の父……それこそが、デカルトである。死者や病者によりそって思考し、哲学者の神とは何かを語り、まっすぐな倫理をめざす。そこにこそ、「我思う故に我在り」の哲学者の、いまなお読み直すに足る魅力がある。教科書的な知識としてではなく、現代を生きるわれわれ人間のための至高の哲学として、デカルト哲学を描き出した不朽の力作。

デカルトといえば、「我思う故に我在り」。西洋近代哲学の生みの親、というのが通り相場です。とにかくすべてのものを疑ってみる。いかにもありそうなものも、じつは私が邪悪な神によってそう思い込まされているだけかもしれない。この徹底的な懐疑(=方法的懐疑)によっても、どうしても疑いえないものがある。それは、今そう考えている私は存在するということだ。おおざっぱにいえば、これが「我思う、ゆえにわれあり」で、これがたしかに近代哲学の出発点になりました。

しかし、デカルト哲学の魅力は、そのような教科書的な知識にあるのではない。著者は、主著『省察』を中心に丁寧に読み解きながら、デカルトの思考の意味を析出していきます。そこには、世俗道徳を脱し、最高善を求める、孤高の哲学者のすがたが浮き上がってきます。戦争、宗教、病気といった、きわめて今日的な課題も、おのずからデカルト哲学の思索と重なり合っていく。そのあざやかな展開は、まさに、哲学をすることの最良の果実といえます。

*本書の原本「デカルト=哲学のすすめ」は1996年、講談社より刊行されました。

【目次】
序章 思想を捨てる
第一章 離脱道徳――精神的生活と世俗的生活
第二章 懐疑――世俗的生活からの脱落
第三章 死にゆく者の独我論
第四章 哲学者の神
第五章 最高善と共通善――善く生きること
終章 魂の不死、私の死

■著者

【小泉 義之著】

1954年、札幌市生まれ。1988年、東京大学大学院博士課程退学。現在、立命館大学教授。専攻は、哲学、倫理学。主な著書に、『兵士デカルト』(勁草書房)、『ドゥルーズ哲学』(講談社現代新書)、『弔いの哲学』『生殖の哲学』(河出書房新社)、共著に『ドゥルーズ/の現在』(平凡社)など多数。

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