ハイデガー 存在の歴史
【重要】
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■商品説明
存在が荒々しく立ち現れると同時に隠蔽され忘却されていった古代ギリシャ以来、存在把握は劇的に変動し、現在、忘却の彼方に明滅するものとしてのみ存在は現前する──。存在論の歴史を解体・破壊し、根源的な存在の経験を取り戻すべく構想された『存在と時間』の成立過程を追い、「在る」ことを捉えようとした、ハイデガーの思想の精髄に迫る。
*本書の原本は、1996年9月、小社より「現代思想の冒険者たち」第8巻として刊行されました。
【目次】
まえがき
序 章 ギリシャの旅
第一章 カトリックの庇護の中で
1 荒地の中の教会塔
2 学寮の寄宿生
3 反モダニズムに伍して
4 哲学者の誕生
第二章 葛藤と模索
1 生業としての学問
2 スコラ研究にことよせて
3 明かしえぬ本心
4 大聖堂に背を向けて
5 自由とその代償
6 事実的な生と歴史性
第三章 雌伏の時代
1 アリストテレス論の構想
2 存在史の萌芽
3 ヘッセンの新天地
4 講義の中の時間論
第四章 『存在と時間』
1 『存在と時間』の刊行
2 気遣いとしての人間(還元その一)
3 時間性と歴史性(還元その二)
4 歴史を語る二つの視点
5 伝統とその彼方
第五章 ナチズムへの加担と後年の思索
1 凱 旋
2 決断の時
3 壮大なヴィジョンの陰で
4 黄 昏
ハイデガー略年譜
主要著作ダイジェスト
キーワード解説
読書案内
原本あとがき
学術文庫版へのあとがき
■著者
【高田 珠樹著】
1954年生まれ。大阪外国語大学ドイツ語学科卒業,京都大学大学院文学研究科哲学専攻博士課程満期退学。大阪大学教授。主要論文に「世界観としての言語」「フライブルク異聞」、翻訳書にM・ハイデガー『言葉についての対話』『アリストテレスの現象学的解釈』『存在と時間』などがある。

