なぜ、猫とつきあうのか
【重要】
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■商品説明
人は竪、猫は横に親和して住んでいる気がする――。幼いころから生活のなかに猫がいて、野良猫・飼い猫の区別もゆるく日々をともに過ごし、その生も死も幾多見つめてきた思想家は、この生きものに何を思ったのか。
「この本のなりたちを思うと、いかなる血や涙もただ流れるだけではなくなにか豊かなものに注がれているのだとあらためて思った」――吉本ばなな
一日の「25時間目」にものを考えると言った著者が、詩人の直観と、思想する眼差しと、ともに暮らすものへの愛情によって紡ぎ出すことば。猫を、そして暮らしの伴侶を愛するすべての人に。
◇(巻末エッセイ=吉本ばなな、挿画=ハルノ宵子)
*本書の原本は1995年にミッドナイト・プレスより刊行されました。講談社学術文庫版は1998年刊行の河出文庫版を底本とし、著者が故人であるためテクストは底本ママとしています。
【目次】
1 なぜおまえは猫が好きなんだ、というふうに言われたら、存外こっちのひとりよがりで…
2 人間なんかになれているようなふりしているけど、絶対なれていないところがありますからね。
3 種族としての猫というのは、犬に比べたら、横に生活している気がするんです。
4 猫の方はなにかやっぱり受け身のわからなさみたいなのがたくさんあってね。
猫の部分
吉本家の猫――解説にかえて 吉本ばなな
吉本隆明と猫――学術文庫版によせて 吉本ばなな
■著者
【吉本 隆明著】
1924‐2012年。東京都生まれ。東京工業大学卒業。詩人、思想家。著書に『言語にとって美とはなにか』『共同幻想論』『最後の親鸞』『初期歌謡論』『真贋』、詩集『固有時との対話』『転位のための十篇』など多数。現在、吉本隆明全集(全38巻・別巻1)が刊行中。

