鶴屋南北 かぶきが生んだ無教養の表現主義
【重要】
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■商品説明
19世紀、遊里とかぶきの全盛を過ぎ、文化の衰退と爛熟が肌で感じられた江戸化政期。それは地震・噴火・洪水と、鎖国の綻びの時代でもあった。「四谷怪談」「桜姫東文章」などで知られる四代目鶴屋南北は、奇抜な趣向で当時の「現代」を写しとり、かぶきに新たな地平をひらく。彼は世に何を仕掛けたのか。伝統の革新とは何か。稀代のかぶき研究者畢生の渾身作。
*本書の原本は1994年、中公新書より刊行されました。
【目次】
発端・「おお南北」か「だい南北」か
南北の肖像
南北の街
劇界に身を投ずる
立作者となる
南北無学説
奇想「鯨のだんまり」
出世作「天竺徳兵衛」
寛政かぶきのリアリズム
小幕作者時代と道化方
南北襲名
生世話の誕生
小説の視覚化
見世物と南北
「桜姫東文章」とその時代
薬と毒薬
「四谷怪談」とその前後
南北独り旅「五十三駅」
死もまた茶番
あとがき
■著者
【郡司 正勝著】
郡司正勝(ぐんじ まさかつ) 1913年北海道生まれ。旅まわりの一座が来ていたころの薄野で育つ。早稲田大学名誉教授。歌舞伎研究に新しい地平を開き、様式美の究明に成果をのこした。五世坂東玉三郎の当たり役「桜姫東文章」など南北作品の復活上演や、監修、演出への功績でも知られる。1998年逝去。著書に『おどりの美学』『かぶきの美学』『童子考』『郡司正勝刪定集』(全6巻)ほか多数。

