故郷七十年

故郷七十年

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■商品説明

本書は近代日本の知識人の自己形成の物語、明治文学史の重要な一部、民俗学の誕生を語るもの。数ある自伝、回顧録のなかの白眉を文庫本でお届けする。

昭和32年(1957)、神戸新聞社は翌年の創立60周年を迎えるにあたって、兵庫県出身で82歳の柳田國男に回顧談を求めました。柳田はこれを快諾、25回にわたって聞き書きがおこなわれ、200回にわたる連載記事に結実しました。一回の談話は3時間、長いときで5時間に及んだといいます。

起筆の言葉にいわく、「神戸新聞は今年満六十年を迎えるという話である。人間でいえば還暦というわけであろう。ところが初めて私が生れ故郷の播州を出て関東に移ったのは、それより十年以上も古い昔のことであった。それから私の心身がだんだん育って行くにつれ、私の眼が全国的に拡がり、世界中のことにも関心を引かれるようになったことに不思議はない。しかしそれでも幼い日の私と、その私をめぐる周囲の動きとは八十余歳の今もなおまざまざと記憶に留って消えることはない。いつかそのころに筆を起し私自身の足跡とその背景を記憶するならば、或いは同時代の人たちにも、またもっと若い世代の人たちにも、何か為になるのではないかというのが、かねてから私の宿志であった。 幸いに時が熟したので、神戸新聞の要請をいれ、ここに『故郷七十年』を連載することにした。それは単なる郷愁や回顧の物語に終るものでないことをお約束しておきたい」

その言葉どおり、本書は近代日本の知識人の自己形成の物語、明治文学史の重要な一部、民俗学の誕生を語るものとなりました。数ある自伝、回顧録のなかの白眉を文庫本でお届けします。

*本書の底本は、『柳田國男全集』第二十一巻として、1997年11月に筑摩書房から刊行されました。

【目次】
起筆の言葉
母の思い出に
私の生家
布川時代
辻川の話
兄弟のこと
文学の思い出
学生生活
官界に入って
柳田家のこと
交友録
私の学問
筆をおくに臨みて
故郷七十年拾遺

■著者

【柳田 國男著】

柳田國男(やなぎた くにお) 日本民俗学の創始者(1875~1962)。兵庫県神東郡田原村辻川(現・神崎郡福崎町)に生まれ、幼少期を茨城県布佐、千葉県布川で過ごす。東京帝大法科大学政治科卒業後、農商務省に入省。法制局参事官・宮内書記官等を経て貴族院書記官長を最後に官界を辞す。朝日新聞社客員、論説委員。国際連盟委任統治委員会委員としてジュネーブ在勤。1910年新渡戸稲造、石黒忠篤らと郷土研究の郷土会を結成、1913年「郷土研究」を発行。「遠野物語」「山の人生」「「木綿以前の事」「不幸なる芸術」「海上の道」など著書多数。1951年文化勲章受章。

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