犬と鬼 知られざる日本の肖像

犬と鬼 知られざる日本の肖像

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■商品説明

美しい自然、練磨された文化遺産、高度な技術、優秀な教育制度……。世界をリードするような新文明を築こうとした日本は、1990年代に失速した。明治維新、敗戦を超え、「近代化」を推進してきた日本は、本質的に「近代化」で失敗した。

この国の問題は、慢性的・長期的なもので、日本をこよなく愛する著者が怒りと悲しみを込めて警告する。美しい自然、練磨された芸術と文化遺産、高度な技術国、優秀な教育制度……。

「有能な官僚制度」に誘導された土建国家は、伝統日本を破壊し、ついには金融界までも崩してしまいました。日本の魂が傷つけられたのです。この国が抱える問題は、慢性的・長期的なもので、まさに日本人は「ゆでガエル」状態になっていることを、日本をこよなく愛する著者が怒りと悲しみを込めて警告します。日本の景観破壊をいち早く告発し、現在のインバウンド旅行者についても発言を続ける著者の渾身の書です。

タイトルの「犬と鬼」は、『韓非子』のエピソードに拠っています。皇帝が宮廷画家に「描きやすいもの、描きにくいものは何か」と問うと、画家は「犬は描きにくく、鬼は描きやすい」と答えます。身近で控えめな犬のようなもの(伝統的な日本の景観)は、正確に捉えるのが難しいが、派手な想像の産物(不要で奇抜なモニュメント)にお金を出すことは易しいということを暗示しています。

*本書の原本は、2002年に講談社より刊行されました。

【目次】
プロローグ
第一章  国土--土建国家
第二章  治山・治水--災害列島
第三章  環境--ステロイド漬けの開発
第四章  バブル--よき日々の追憶
第五章  情報--現実の異なる見方
第六章  官僚制--特別扱い
第七章  モニュメント--大根空港
第八章  古都--京都と観光業
第九章  新しい都市--電線と屋上看板
第十章  鬼--モニュメントの哲学
第十一章 「マンガ」と「巨大」--モニュメントの美学
第十二章 総決算の日--借金
第十三章 国の冨--お金の法則
第十四章 教育--規則に従う
第十五章 教育のつけ--生け花と映画
第十六章 国際化--亡命者と在日外国人
第十七章 革命は可能か--ゆでガエル
結論
あとがき

■著者

【アレックス・カー著】

1952年米国メリーランド生まれ。1964年に初来日し、1966年まで父の仕事の関係で横浜の米軍基地に住む。1974年エール大学日本学部卒業。日本学を専攻、学士号(最優秀)取得。1972~73年まで慶應義塾大学国際センターでロータリー奨学生として日本語研修。1974~77年、英国オックスフォード大学ベイリオル・カレッジでローズ奨学生として中国学を専攻。学士号、修士号を取得。著書に、『美しき日本の残像』(新潮社学芸賞)、『ニッポン景観論』などがある。日本の魅力を広く知らしめる活動を展開中。

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