ゼノン 4つの逆理 アキレスはなぜ亀に追いつけないか
【重要】
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■商品説明
第1逆理「二分割」――動くものは、終点に達する前にその半分の地点に達しなければならないので、動かないとする。
第2逆理「アキレス」――走ることの最も遅い者ですら最も速い者によって追いつかれない。
第3逆理「矢」――動くものはつねに、今、等しいものに即してあるとすれば、動く矢は不動である。
第4逆理「競技場」――半分の時間がその2倍に等しい。
紀元前5世紀、南イタリアにあったギリシアの植民市エレアの哲学者ゼノン。彼が語ったという4つのパラドクスは、ギリシアの哲学者のみならず2500年後の現代に至るまで、ものを考える人間の頭を悩まし続けてきた。一方で「詭弁家」とレッテルを貼られ、他方では「無限」と「連続」をめぐる先駆的思索を行ったと激賞されもする。パルメニデスの弟子ゼノンが帰謬法の典型的なやり方で意図したのは、論敵ピュタゴラス学派に見られる「世界は多からなる」という理論に対して、パルメニデスの「<有>はひとしく一>であり、不可分であり、部分を持たない」という世界観を補強することにあった。
本書では、「パズル」でも「手品」でも「詭弁」でもないゼノンの逆理の本質を探り出し、それが西洋哲学史、科学思想史に及ぼした深い影響について考察する。
*本書の原本は、『ゼノン 4つの逆理』として、1996年に小社より刊行されました。
【目次】
プロロゴス
第1章 4つの逆理
第2章 飛ぶ矢は飛ばず
第3章 アキレスは走った、が走らなかった
第4章 多の本性
第5章 パスカルの眼
第6章 エレア学派と現代思想
エピロゴス
■
山川偉也(やまわか・ひでや)
1938年、徳島市生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士課程修了。専攻は哲学・論理学。アテネ大学哲学部客員教授を経て、桃山学院大学法学部教授。
■著者
【山川 偉也著】

