日本料理文化史 懐石を中心に
【重要】
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■商品説明
茶道の美と精進の思想―和の食、かくして極まれり。
「懐石」と「会席」は何が違うのか。利休の「一汁二菜」「一汁三菜」はなぜ正統となったのか。「乾杯」の日本的起源とは。
茶道から生まれた様式がいかにして日本料理の伝統を形づくったのかを、資料から丹念に考察する。和の食、その精髄たる懐石料理の誕生から完成、そして後世への継承という歴史の中に、日本文化のエッセンスを見いだす類稀なる論考。
*本書の原本は、2002年に人文書院より刊行されました。
◇本書より◇
何故、懐石という新しい料理の様式が生まれたのか。その歴史的前提を明らかにしなければならない。料理に限らず、文化は一つの様式に固定してしまうと、それを内部から突き破る革新が起こって、また新しい創造的な歩みがはじまる。いわば本膳料理の行き詰まりを打破する革新であったと、さきに懐石を位置づけたのだが、では、本膳料理とは何か―
【本書の内容】
唐菓子と柏餅―序にかえて
第一部 懐石誕生
懐石の誕生 近世公家の懐石 千家茶会記にみる懐石 茶書にみる懐石の心得
第二部 懐石以前
大饗料理 本膳料理 精進料理 食の作法
第三部 料理文化の背景
中世の食文化点描―大工・荘園・都市 日本の食事文化における外来の食
■著者
【熊倉 功夫著】
1943年東京生まれ。東京教育大学文学部史学科卒業。日本文化史専攻。文学博士。京都大学人文科学研究所講師,筑波大学教授,国立民族学博物館民族文化研究部教授を経て、現在はMIHO MUSEUM館長、ふじのくに茶の都ミュージアム館長、国立民族学博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授、静岡文化芸術大学名誉教授。『茶の湯の歴史 千利休まで』(朝日新聞社)『後水尾天皇』(岩波書店同時代ライブラリー)『日本文化のゆくえ』(淡交社)など著書多数。

