経済学の思考法 稀少性の経済から過剰性の経済へ
【重要】
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■商品説明
格差拡大、雇用不安、デフレ、グローバリズムの停滞……。「構造改革」以降、実感なき好景気と乱高下する日本経済。過剰な貨幣発行がもたらす問題、「複雑な”経済現象”」と「理論重視の”経済学”」の乖離など、現代資本主義が直面する困難を徹底的に検証。アダム・スミスから金融理論、リーマンショックからアベノミクスまで、経済学の限界と誤謬を提示する。
内容抜粋「経済学」がひとつの思想でありイデオロギーであるとすれば、今日の支配的な経済学の考え方とは異なった「経済」についての見方はできないか。「稀少な資源の配分をめぐる科学」というような経済学の典型的な思考方法ではない、別の思考様式はないのか、ということだ。―――学術文庫版「はじめに」より
*本書は、2012年刊行、講談社現代新書『経済学の犯罪』を改題、大幅加筆修正したものです。
【目次】
学術文庫版「はじめに」
第1章 失われた二〇年――構造改革はなぜ失敗したのか 学術文庫付論
第2章 グローバル資本主義の危機――リーマン・ショックからEU危機へ 学術文庫付論
第3章 変容する資本主義――リスクを管理できない金融経済
第4章 「経済学」の犯罪――グローバル危機をもたらした市場中心主義第第5章 アダム・スミスを再考する――市場主義の源流にあるもの
第6章 「国力」をめぐる経済学の争い――金融グローバリズムをめぐって第7章 ケインズ経済学の真の意味――「貨幣」の経済学へ向けて
第8章 「貨幣」という過剰なるもの――「稀少性」の経済から「過剰性」の経済へ
第9章 「脱成長主義」へ向けて――現代文明の転換の試み
あとがき――ひとつの回想
学術文庫版あとがき
■著者
【佐伯 啓思著】
さえきけいし 1949年、奈良県生まれ。東京大学経済学部卒業。同大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。京都大学名誉教授。京都大学 こころの未来研究センター特任教授。著書に『隠された思考』『「アメリカニズム」の終焉』『現代日本のリベラリズム』『反・幸福論』『「欲望」と資本主義』『自由とは何か』『西田幾多郎 無私の思想と日本人』『経済成長主義への訣別』『近代の虚妄』など多数。

